『 Go Ask Alice 』(1973年、米) ・全あらすじ(ネタバレ)  街へ転居した教授一家の15才の娘が夏休みに故郷でLSDを覚え、帰宅後は睡眠薬&鎮静薬依存。ヒッピー娘と共に年上の男の為に売人をするが利用されたと悟り2人でシスコへ逃亡。職を得た彼女達はパーティでヘロインを飲まされレイプ。ショックの2人はバークレーに越し店を始めるが、家が恋しくなって戻ると周囲は冷たく、飛び出して浮浪者になり連れ戻され、また薬を飲み入院。退院し復学が決まった矢先、薬物過剰摂取で死んだ。 ・ドラマの冒頭に出る前書き This motion picture is based on the authentic diary of a 15 years old American girl. The only alterations have been those necessitated by considerations of length and acceptability for family viewing. (この映画は15歳のアメリカ人少女の本物の日記に基づいています。唯一の変更は家庭での視聴のために長さと容認性を考慮した必要なものです。) ・このドラマについて  当時のアメリカで話題を呼んだベストセラー本のテレビドラマ化。原作は『麻薬で死んだ10代半ばの少女の無記名の日記』というふれ込みで、担当の精神科医が公開する“実話”として売り出された。しかし、その女性精神科医が患者の簡単な日記から脚色した趣旨の発言をし、後にある出版業界人のエッセイも、それに関わった人に触れた。これは『アンネの日記』と同じく大部分作られた話かもしれないが、本当にアメリカの大抵の街の辻角には、路上売春で薬代を稼ぐ、肌が荒れて青い顔をした痩せっぽちの10代の薬中少女達が立っている、そのスケッチである。  なお2015年秋現在、Youtube他、ネットに上がっているものを見た感じでは、話が抜けていてドラマの展開が唐突で、時間も中途半端なので、2時間ドラマをCM込み1時間半の枠で放送するために端折ったたぐいの“短縮版”かも? ・私の感想(または妄想)  はた目には何不自由のない良家の娘が、麻薬で道を踏み外し転落していく哀れなストーリー。20世紀後半にアメリカがダメになっていった理由は“一部グループの金権独占とマスメディア独占を許した法制度”、“無差別な移民受け入れ”、そしてこの物語のような“麻薬の蔓延”であり、これらは密接に関わっている。  何もかもに“エクスキューズ(弁解・言い訳・口実)”を付けて、何の道徳も、常識も、辛抱も、努力も無く、貴方の欲望のままに自分勝手に生きればOKだと、幼い頃から洗脳し堕落させ、家族や、地域や、宗教や、人の繋がりをバラバラにしていく。特に女性がそうなってしまった事は大きい。  自分の好き勝手に生きる少女が母親となり、その子供はそれに輪をかけてもっと好き勝手に生きる。少女に対して女性の自立だとか、女性は賢いだとか、女性の権利だとか謳いあげ、それと対になる筈の“義務”と“責任”と“忍耐”を教えない社会。我が子が他人に迷惑をかけても当然の権利だと、いや、もはや子供(や自分)が他人に迷惑をかけていることすら気づかないほどモラルをもたない女性の群れ。まだうるさくモラルを説くキリスト教が頑張っていた頃のアメリカの方が、色々問題もあったが、人間の心があり、シャンとしていた気がする。国を滅ぼすための第一歩は、女性を堕落させる事である。  その腐ったソドムとゴモラのような個人主義社会の中で、人口の3%を占める自分達のグループだけが求心性を保っていれば、その力は圧倒的になる(注1)。これが正に、この半世紀にアメリカで行なわれて来た事である。自分達の利益だけを図り、他のグループの壊滅または奴隷化を図る邪悪なグループに、何も考えずに、人のオツムを操るマスメディアを全部握らせてしまったのが運の尽きだったのである。  「ワレワレは支配者、お前らは家畜。遺伝子組み換え・薬物たっぷりの今日の餌はやる。欲望のままに生きなさい、麻薬もやりなさい。そのかわりワレワレの為にせっせと働きなさい。カードで借金しなさい。外国を侵略しなさい。そして明日は、お前らどうしで“夕食のおかず”として共食いさせてあげるがネ」  そのアメリカ没落の半世紀は、21世紀前半の日本で繰り返されようとしている。日本は絶対にアメリカの真似をしてはいけないが、金権を握った連中はどんどん洗脳され、あるいは脅され、目先の欲望に流されていく。ある日彼らも、家畜同士の“夕食のおかず”になるのに。 注1.正確に言うと“その人口の3%を占めるグループの類稀なる求心性を巧みに    利用する世界的な支配層グループの米国での力が圧倒的になる”であるな